01040:クチルハテル


 

赤いくちびるが
夜の中で朽ちる果てる

ガラスの薔薇のように
濡れた赤が朽ちる果てる

君の言葉だけ
僕の中で朽ちる果てる

だからこの声でここに歌を紡ぎあげる

目をつむる君のぬくもり
すくい上げるとすき間からこぼれていく


もう一度空の色に
君の影を重ねてみる

壊れたゼンマイのように
キリキリとちぎれていく

どれほど切望しても
ここに君はいない

どれほど切り裂いても
ここに君はいない

空の色が真っ赤に染まり
赤とんぼが黄色く燃えている


君が言ったものがたり
光の中に消えていく
思いよ
願いよ
飛んでゆけ
そこに届くまで


繰り返す言葉の中に
君を探している

長い影の夕暮れ
少し冷たい朝ぼらけ

見つけた君の欠片で
幻想を紡ぎあげる
そして
その幻想で
君の影とクチルハテル

嘘でもいい
君のぬくもり
にせものでもいい
赤い幻想

僕と君が紡いだたった一つの真実
朽ちる果てるものがたり
続きはもう見えない…





フライダンスステップ
08/01/13